実験

性能試験

(自社および外部で行われたスパイラル杭の性能試験の一部を公開します)

1.材料試験
平成14年、熊本県工業技術センターにおいて、スパイラルの材料試験を実施しました。
JIS規格に沿って引張試験を行い、SS400のスパイラル杭の許容応力度を指標しています。

結果:
スパイラルの引張強さは440~460MPa(SS400母材の引張強さ400MPaと同等)。
なお、鋼材もJIS規格に基づく鋼材検査を合格したもののみを使用しています。

2.耐用年数
スパイラル杭は溶融亜鉛メッキ2種HDZ55によって防食されています。
耐久性については株式会社富士金属にて亜鉛溶融めっきのJIS規格試験結果を行い、製品の耐用性を実証しています。

結果:
めっき量と「鋼道路橋・防食便覧」の年間腐食減量値と照合したところ、スパイラル杭は一般環境で50年以上の耐用年数は有することがわかっています。
また、杭や台座の設置位置は土中や水中であるため、大気の影響を受けにくく、一般的な上部構造物より腐食に対する耐用年数も上がることが期待されます。

3.杭の支持力

スパイラル杭はさまざまな地盤で押込方向や引抜方向への載荷試験を行っています。施工実績地での実験例や大学・研究機関立会いの下での自社主導のものなど、手法もさまざまですが、それらの実験結果の一部を公開いたします。
坪井川緑地遊具基礎  押込試験
試験日:平成20年1月31日

場所:熊本市坪井川緑地公園内

立会人:熊本県熊本土木事務所

目的:坪井川緑地遊具基礎工事伴うスパイラル基礎杭の押込方向の支持力を確認すること。

概要:
下に示す試験要領図に示すように、反力用のバックホーを用い、スパイラル試験杭と連結したロードセルに油圧ジャッキにより鉛直方向に設計荷重の1.2倍以上の荷重を与え、変位量と耐力を確認。

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実験状況:
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実験結果(一部):               shiken3_m  shiken3
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  横軸:載荷時間[sec]
  縦軸:最下荷重[kN](青)、杭の変位[mm](ピンク)


結果より
載荷時間に対応して荷重、変位とも一度大きく上昇し、両方ともほぼ同じぐらいのタイミングで一定値へ収束しています。このことは、スパイラル杭が地盤を破壊することなく載荷荷重を支持していることを意味します。
また、実験での支持力は設計荷重を上回っており、設計よりも安全であることも確認できます(設計段階で安全率も乗じています)。
上熊本地区交通安全統合補助工事 照明柱基礎 引抜試験
試験日:平成19年9月25日

場所:熊本県上熊本線

立会人:熊本県熊本土木事務所

目的:上熊本地区交通安全統合補助工事伴う照明灯基礎杭の引抜方向の支持力を確認すること。なお、スパイラル杭にはボルトが溶接されている。

概要: 
試験要領図に示すように、反力用のクレーン(4tユニック)を用い、スパイラル試験杭と連結したロードセルにチェーンブロックにより鉛直方向に設計荷重の1.2倍以上の荷重を与え、変位量と耐力を確認。

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実験状況:
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実験結果(一部):

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  横軸:載荷時間[sec]
  縦軸:最下荷重[kN](青)、杭の変位[mm](ピンク)


結果より
試験杭は設計上件を十分に満足し、設計荷重を超える耐力を有していることがわかります。荷重は時間とほぼ比例して上昇し、設計荷重を超えても上昇したので200秒を過ぎたあたりで載荷を終了しましたが、初期変位以降、荷重が上昇してもほとんど変位に変化がなく、載荷を継続すればさらに大きな耐力を得られることも期待できます。また、ボルト溶接部が途中で破壊されることもなかったので、杭頭の強度が十分であることも確認できます。
水平方向載荷試験
試験日:平成19年10月31日

場所:社団法人日本施設園芸協会

目的:パイプ付のスパイラル杭の水平方向への載荷時の性能を調査すること。

概要:
試験要領図に示すように、変位計を設置し、チェーンブロックを用いて水平方向にゆっくりと荷重を与え、変位と荷重を測定する。なお、変位が許容水平変位(22.5mm)になるところまでは載荷を継続する。

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実験状況:
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実験結果(一部):
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 横軸:載荷時間[sec]
 縦軸:最下荷重[kN](青)、杭の変位[mm](ピンク)


結果より
荷重が上がるにしたがって、変位も大きくります。載荷を続けると、最終的に地盤が破断したと思われるところで大きく変位します。また、杭長の違うものでも同様の実験を行いましたが、ほぼ同じような傾向が見られ、変位に対する荷重は杭長が長いほど大きくなります。